平昌冬季五輪に見た、サイクルスポーツの真髄

2018-02-25 14:28

店主のつぶやき

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スポーツバイクの難解点は『空気抵抗』

この目に見えない障害を理解してもらうには説明が難しい…日常で実感できる体験が出来にくいからだ。
今回、スピードスケートの女子チームパシュート金メダルの功績は自転車界にとっても大きい。

空気抵抗のみならず、3人チームでの戦いに個々のパフォーマンス(体力)では劣るメンバーがチームでは勝利できる妙こそが今回一番にテーマにしたいことだ。

クラブで推奨するスポーツバイクの楽しみ方の根本に、ソロ(独り)でいかに無駄なく自分の力を有効に使い楽に遠くへ行ったり走ったりすることができるか、という基本的なライドスキルの習得とその次ステップで複数でお互いの体力差を補い一体化して走るかというものがある。この後者の部分が今回五輪でのチームパシュートに集約してみることができる。

日本の勝利は、
①空気抵抗を最大限に減らすこと ②体力差をペースと交替スケジュールで埋める
この二点に集約される。

この二点を日頃のレッスンに置き換えてみたい。
①解説で声高に言われていたが、スケート屋内リンクのそれに比にならないくらい屋外を走るバイクの空気抵抗は大きい。
その抵抗を最大限に軽減するにはドラフテインングが必須だ。ざっくりとちゃんと先行者のあとにつければ、ゆうに30%は節約できるはずでそのスキルにより10%ほどは変わってきてしまう性質を持つ。
また交替の際のスキルもしかり、日本チームがライバルチームより短い時間で交替を済ませることがポイントとして挙げられていたが、このポイントを意識できている人もまた非常に稀だ。
基礎レッスンでなぜドラフテインングとローテーションをしっかり練習するのかは、②を効果的に行うには前段として①が無いとできないからです。※もっというと、単独で無駄なエネルギーと使うことなくペース走をするのは基本中の基本になる。

②スケートでは、パフォーマンスに優れる高木(妹)選手に6周のうちの約半分にあたる3周を課していたが…
本来なら、パフォーマンスが揃ったメンバーで走るほうがローテーションが規則的で容易なことは明らかだが、今回は力量差を走行順位と周回数でち密に計算されシナリオどおりに展開した(するために多くの練習を積んだはず)日本が勝利した。
中級レベルに差しかかるくらいになれば、
その時に集う仲間の走力差を見極めながらお互いが相応の負荷感になるべく先頭風圧負担を調節する。(先頭を引く時間により)
あまりに走力差があると風圧を担当できないばかりが、ついたまま(いわゆるツキイチ※着き位置ではない)となり、スキル習得に繋がりにくくなるので、ツキイチ参加になるのはできるだけ避けているのはこうした理由から。
走りながら自分と他の方の状況を常に考えながら走る、よく言えば周りに気遣いながらフォローすることです。別な観点でいえば特にレースではライバルの不利な状況をいち早く察知しアクションを起こし、自分に有利な展開を創る…そのためには自分とライバルの状況を常に把握する能力が不可欠。

スポーツバイクの最大の素晴らしさは、体力差の老若男女が共に走ることができるということ。
これには論理的な知識とスキル実行力が伴わないと実現できません、巷でよく言われる “ゆるゆる詐欺” “楽しくサイクリング” が何故か起こってしまうのは、仕方のないことなんですね。

またよりスポーツ色が強い話ですが…
サイクルスポーツは道具を使いながら、競技相手との駆け引きや展開など体力以外の要素が多岐にわたるスポーツ。
解りやすくいえば、体力が劣る方にとっても活躍できる可能性のあるスポーツということ。

選手の強さとは何なのか、それはレース結果を出すことでしょう。
強さを創り出す要素とは…
・体力
・技術(バイクを乗りこなす、バイクを扱いきる)
・メンタルタフネス
・質の高いバイク(扱う技術が無いと宝の持ち腐れです)
・戦術
・レース勘

何が申し上げたいかといいますと、今回のスケートの事例において
少なくとも体力の不利な日本チームは、空気抵抗に対抗する技術戦術がきっちりあり、それを実行するために年間300日にもおよぶ代表チームでの練習を行いメンタルが備わったからではないでしょうか。

さらにスポーツバイクでは、スケートよりもバイクに乗るというバランスと精密な変速パーツの装備されたレース用バイクを使いこなすということが必要です。体力はあるに越したことはないのですが、求める結果にはいくつかの要素をバランスよく組み合わせることができる人が成績を出せる人に共通することだと断言できるでしょう。
すべては掛け算です、なので1要素がひとつでも欠落して1とか0だったりすると、何かが10点でも結果は限りなくでにくくなるでしょう。平均点であることが必要でなく最低限のポイントを持ちながらどの掛け合わせがポイントが高くなるのか…というあたりがスポーツバイクの面白さだと思います。

最後に、チームパシュートの金メダリストのメンバー高木(姉)がマススタートという種目でも金メダルを獲得しました。
これこそまさにロードレースに近い競技性を持つもの、TTと違い戦術やレース勘が大きく影響するレース。体力に優れるオランダ選手をマーク、うまく利用し最後に出し抜いた痛快なレースでした。オランダ選手がもう少し冷静でしたたかであれば勝負は違っていたでしょうね。

あなたは、どんなふうにロードバイクを楽しみたいですか?
とにかくヘトヘトになるまで走り満足するのか、自分の能力を100%使い切り120%の結果を出したいのか…

チクリ・ピオニエーレでは、平昌オリンピックのチームパシュートのような連帯感ある走りをお伝えします。
ドラフテイングもどきでなく、本物のドラフテイングをマスターして欲しい。
その走りがいかに心地よいものかを実感してもらえるクラブであるとお約束します。

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