ミッドナイト エンデューロ 8時間チーム ②

2017-08-01 22:43

レース


2分差を埋めるべく、リーサルウェポンを即投入。
エンデューロで絶対にしてはいけないのは単独遅れだ。その状況をリカバリーすべく一番独走力あるT選手の投入!アップをいくらかしておいて良かったのだが…5周だったかな、単独走としては十二分に速いLAPを刻み追いかける。
願わくば一気に…しかしエスケープグループもまだ開始1時間以内ということもあり皆元気です、それでも1分20秒あたりまで詰めることができた。
その後、昨年ソロ優勝の実力派ライダーOくんと私と繋いで、一進一退で前との差は1分30秒ほどだ。現実的にはまだ2時間ほどしか経過していない、苛立ちが立ち込めるピット…ところが前の集団も分散してきておりクラス順位はなんと2位であることが判明する。ということは集団を構成するのは主に4時間の選手だということだ。仮に8時間のソロがいたとしても勝敗には関係なく、あと2時間大きく差を開かれないよう粘れば勝機があることが見て取れた。そうとわかればメンバーみな元気が湧いてくる。
2度目の走行となるコーチMさんも、最初のトラブルを巻き返すべく激走する。なんとLAPタイム:5分20秒を切るくらいで差を詰めて帰ってきた。約1分15秒か、集団のお尻にはもう1分無いところまで迫っていた。
ここで独走力あるTさんの闘志に火が付いた!
俺に任せろ!と背中で語りながら、後輪ディスクをゴロゴロいわせて飛び出してゆく~瞬く間に集団復帰を果たした!これでメンバーすべてが勝利へ向いて気持ちをひとつにできた。

3時間を過ぎ、いよいよ4時間クラスの勝負は佳境に入ってくる。
スタート前から決めていた事柄2点目は、4時間のピット封鎖(4時間のゴールあたりは交替禁止)時間帯は私が担当するということ。過去ここで常勝チーム『のざき』さんが動くことが多く、絶対に先行されないということが勝利へ必須ポイントだったからだ。相手の交替のタイミングを常に把握しミスなく…そして仕掛けはこちらからと決めていた。あとは流れとタイミングだ。

ピットを出るやいなや、3時間35分あたり…集団は活性化していた。
その集団から少し抜け出ている2人のライダーがピットロード出口で発見。そこに躊躇わずジョイント。前を引くのは関西高のKくん、そして後ろはなんとライバル『のざきチーム』だ。瞬時に勝負所の匂いを嗅ぎ取った。
バックストレートに入り引くのは『のざきチーム』先頭交替で後ろに下がりながらKくんが“のざきさん、次交替ですよ”と囁く。
バックストレートからホームまでいいペースで引きまくる『のざきチーム』真後ろにいるのはライバルチームと間違いなく認識できてないだろう。予想通り交替でピットインする『のざきチーム』、ピットロードに入るやいなや、Kくんと全力アタックを開始した。このタイミングで一気に引き離し4時間の残り20分ほどをKくんとハイペースで回すことで差をつける勝負に出た。
これはいつも言う脚で会話をすることが成された、すなわちお互いが瞬時に意思疎通し利害一致の高速ローテが始まったのだ。
ぐんぐん周回遅れをパスしてゆく、このLAP:5分8秒一気に20秒近くペースをあげる。『のざきチーム』はたぶん付いて来ていない、そう思いながらペースを落とさないように走る。そこへジョイントしてくるものもいるが、関西高Kくん以外にちゃんとローテーションを回せるものはいない。こうしたレベルの経験が少なく一体どういうふうにローテーション内で振る舞うのかがわからないのだろう、ペースをうまく合わせることができない。
そんなことは一切無視して走りつづけた、そして4時間クラスのファイナルLAP…ゴールでKくんの優勝を見届け交替へむけて1周ソロで頑張る。ここで『のざきチーム』に約1分のリードをつくることに成功しピットインした。
ようやく当初のシナリオにのせたカタチになり、各メンバーに後続との差を図りながらペースを刻むよう伝える。
このリードした直後が大事だ、僕らがそうであったように相手も必死にリカバリーしてくるから。その時に相手に合わせてリズムを変えながら差を詰められないように頑張ることが大事だ。コーチMさんも良いタイムで走っている…その時!
なんとMさんのDi2にトラブル発生、しかしタイミング良くピット脇に止まりライトを照らして即対処でき事なきを得た。即時の判断もよかった。なかなか簡単にはいかない(笑)
毎周、各LAPタイムを計りながら大会が提供するネットでのLAPページと突き合わせながら、進行をみまもるサポートOさん。今回は素晴らしいピットボードも自作してくれていた。優勝には優秀な選手だけでなくこうした優秀なサポートの存在もかかせない。前回春の大会でも真昼の炎天下7時間も1コーナーで出張ってくれたことを忘れてはならない。

順調に交替で時間を消化してゆく、残り3時間を切るころ…流石に皆に疲れが見え始める。それはそうだろう深夜2時だもの(笑)この頃、『のざきチーム』との差は1分後半になっていたか、先方も1~2周ごとの交替で追いかけていたが疲れが見え始めたのだろう、かなり勝機は高まったと思う。疲れのみえるメンバーを最後まで温存するのにロング走で次の交替を走ることにする。後ろとの差は充分あるのでペースを押さえてもここは1時間を目安にピットアウトした。
コースはもう8時間の選手だけでかなりまばらだ、しかも多くの選手は屍状態で共に走れる選手などいるはずもない。したがって、常に個人TT状態ということ。想像以上に前半の激走のツケがきていた、しかし毎度レッスンで伝えているようにその時なりに自分と対話し走るのだ、淡々と5分40~50秒を刻み続けた。それでも後ろとの差は広がっていった様子から勝利は間違いないと走りながら感じ取っていた。
なんとか約1時間を走り切りピットイン、ほぼ役割を終えたつもりでいた。いゃ~眠い、残り1時間半となった午前3時半。
残りのメンバーがざわついている?どうも後ろのペースががっくり落ちて3~4分差となり、今度は周回遅れにできる可能性がでてきたのだ。
高揚感がどこからかパワーを生み出し、疲れた後半でさえいいペースで走るメンバー(#^.^#)
エンデューロで後続をすべて周回遅れにして勝つことこそ完全勝利、そこへ向けてラストスパートしてゆく


つづく




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