ニセコクラシック2017 (UCIグランフォンドワールドシリーズ)②

2017-07-13 09:18

レース

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雄大な自然の中を駆け巡る

70kmのコースは(ルートラボ添付)前半が平坦基調で後半がアップダウンを繰り返してニセコアンヌプリへゴールする。
昨年はこの平坦基調の前半を外人や元気な若者を中心にかなりのペースで進行したという…
後半の上りは曲者で、激坂になるような勾配はなく見通しも良いため緩く見える、前半に脚を使いすぎると思わぬ燃料切れを
起こす可能性があり自分のパフォーマンスと燃料(体力)を把握しながら走れることが必須だ。

ローリングスタートから、先に並んでいた女子をほぼ抜きさる形で前から10番手以内を走行しながら初めの登りに差し掛かる。
それなりのペース(体重5倍近い)で登っていく集団、ここは2㎞ほどなのでほどほどにやり過ごしてと…
集団左脇からするすると前へあがる選手が…西谷さんだ。
どうするのかと思ったら、先頭へ出るやいなやいつもの重めのギアでさらにダンシングして加速してゆく…たぶん体重6倍くらいのパワーで…
それなりのペースからあっさり抜け出てゆく西谷さん、50m・100m・150m…誰も反応しない
この時点で大きな判断を迫られた、抜け出して西谷さんと共に遥かなる70㎞の旅に出るのか、後に吸収するまで静観するのか。
下した判断は後者、しかしそれは結果的に残念な判断だった。昨年の展開を聞いていたイメージが頭の中に残っていた…

西谷さんを見送った集団は、下りからそして平坦基調に入っても組織的に追う動きをつくることはなかった。自分もまた当然大きなきっかけを作ることはできずペースが上がりかけたら落とさぬようローテに混ざるくらいの…。20㎞も行かない段階であっという間に1分30秒ほどの開き、そして2分から3分と簡単に開いてしまった。追う意思のない集団は完全に覇気を失っている…また西谷さんの逃げを知らないものも多く存在していたとも思える流れだ、誰もが中盤からのメインになる登りに遅れない様に脚を使わないことを考えているからだ。
ゆるやかなペースに女子の先頭を争う数名の選手もまた同じ集団にいたほどで…
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基本的に20番以降に下がらない様に注意しながら進むが、登りの手前になるとペースの遅さも相まってどんどん外から被さってくる。
ペースが落ちないレベルならこういうことはないが、明らかに登りに備えていてペースが遅すぎるから。
片側規制なのに右側にあふれてバイクの注意喚起のホイッスルが鳴り続く…(苦笑)

そして登りに突入、堰を切ったようにダンシングで駆け上がる若者?もいて塊だった集団は棒状に伸びる、先頭付近で状況をみながら走る。
メーターチラ見するが4.5倍くらいか、独り100mほど先行するが放置してペースで進む、上りだして2㎞を過ぎKOMの案内看板あたりで振り返ると既に10名強のメンバーしか残っていなかった。そこに同一カテゴリー(50~54)は私含めて3名、全て知り合いだ。
ペースが緩みかけたのでKOMの先にある分岐の右折箇所を過ぎて次の登りまで牽き続ける、先行していた若者はどうやらKOMを取りたかったようだが西谷さんが逃げているのを知らなかったようで、まさに無駄脚を使った。
残る集団には昨年の総合優勝した高校生もいた、MUURはKING三浦さんのチームだけにどんな走りをするのか注目していたが。
緩くなってペースが落ち着き、気が付けば後ろから追いついてきたものが10~15名近くいたようで、その中に女子で優勝した選手も含まれていた。足取り軽く、全然大丈夫そうでビックリだ。どうもスケート?のソチオリンピック代表とか…
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↑女子チャンプ


この辺りでの先頭西谷さんとのギャップはかわらず3分超えている、逃げ続けて登りもこちらと変わらないペースで登ってるということ。
完全に総合もクラスも2位争いに絞られた。一つ目の大きな登りを終え、長いダウンヒルを下る。下り切って登りが始まる前で独り50mほど抜けていた、そこへ一気にジョイントして声をかける『2人でいくよ』と、前を引いて登りを走るが残念ながら後ろから追いつかれる。
この頃、集団で目立っていたのは同一クラス(50~54)の外人だ。身体がデカいが割と登りも苦にせず走る、気づけば同郷の選手は切れていてこの外人とディフェンディングチャンプの苗村さんと3人での表彰台争いになってきた。総合2位を狙うその他のものに元気なものは少なかった。50~54クラス3名を中心とした展開が続く、外人を振り切ろうと細かなジャブを出すが簡単に切れてはくれない。
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こんな綺麗なじゃがいも畑の中を…視界に全く残っていない(笑)
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北海道新聞の朝刊ではこの写真が…先頭(私)、中央左(苗村)、左(同クラスの外人)


残り10㎞を切り、アンヌプリへ向けたいやらしい登りだ。若者が仕掛けたのに同調しペースを上げ下げしてリズムを変えながら走る。
いよいよ5㎞を切り、見通しのいい直線路で先頭の若者が一気にペースを上げて牽き続ける、続くは苗村さん、そして私…後ろの気配はあまりない…3人で飛び出したい。残り3㎞を切りもう不用意に前へ出れない流れ、パックは5~6名か後ろの気配から察する。
残り1㎞、牽き続けた若者にかわり先頭は同クラスの外人だ。続くは苗村さん、私。そして勝負のスキー場へ向かう脇道へ。
メイン道路から左折、左折、右折してゴールするコースだが、曲がるたびに勾配がきつくなり最後は10%を超える超いやらしいレイアウト。最初の左折で外人がタレて苗村さんが先頭に…まだ700mあるので全力ではない、左折するあたりでどうもキツそうにみえる、変わって先頭になる…残り400m、流し先行で…後ろの気配はあまりない、そして300m、200mこの先右折してゴールだ、ペースを上げようとした矢先に後ろから一人かわしてきた…六本木のジャージ、合わせてゴール勝負にしたかったが、つききれず悶絶のダンシング、残り100mが長い…後ろは離れていた、スローモーションのようなゴール。集団頭は取れなかったが、総合3位クラス2位…を取ったとこの時は思っていた。
※後ろからスタートしたUCI外クラスは1分差のネットタイムにより着は3位だが、総合9位(ちゃんとした広報なかったような…(笑))
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昨年から目標(優勝)としてきた大会だったが、目標には届かなかった。
順調に準備ができていたかというと実はそうではない、自分の思うようなトレーニングは年々できなくなってきている。質も量も思うようにできないということは、結局はそんなものだということを若き選手時代に学んでいる。それでも諦めることなくささやかな夢を追いつつ走り続けること、そして結果を出すことが自分の仕事だと思っている。
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思いのほか自分のパフォーマンスを事前に上げることができなかったが、結果的にレースに合わせたピーキングのみはドンピシャにできた。生身の人間なので完璧にはできないがこうしたノウハウもまたスクールを通じて伝えたいと常に考えている。
レースを走りならが感じたこと、真っすぐ走れない、ちょっとしたことでふらついたり…道具は明らかに良くなったのにライダーがついていって無いと思われることが散見された。情報過多となり一見なんでも手に入るが、自分自身を正しく判断したり評価してくれる人がいないことが現状の課題ではないだろうか。
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↑右が市川氏

今回、偉大な先輩である日本初のプロロード選手である市川雅敏氏に再会した、30年ぶりにだ。30年前、日本人がヨーロッパでプロになることなど絶対に無理といわれていた時代に、単身でヨーロッパにわたり自らの力で道を切り開いた人だ。そんな人がいたからこそ今は普通にヨーロッパへ出かけて行ける時代になった。そんな先輩を多感な世代に間近でみることができたことは何かの理由がある、こうして後輩を育成する立場となった今、先輩から伝えてもらったDNAを何かの形で伝える義務があると信じてやまない。



ロードレースは非情なスポーツ、勝者は独りそれ以外は敗者だからだ。本来のロードレースならある程度のタイム差がつけばレースを下ろされる、なぜならチャンピオンを決めるためのレースであって完走に大きな評価がないから…
グランフォンドはそこは違っていて、今回も140㎞クラスなら全日本選手権で完走できるレベルの選手がおり、一方で趣味で走っているローディーも同じレースを走っている。足切りのタイムはかなり緩く、完走を目的としても充分楽しめる要素を持っている。一般的なグランフォンドやメディオフォンドにない規模感と質感を感じさせる大会だったUCIシリーズ、ローディーなら多くが集える可能性があるだろう。

若き頃にかなえることのできなかった世界への道、こうして疑似体験ができる時代が来るとは…すばらしい時代になったものだと思う。
来年もまたニセコを目標にするのだろうな~噂では、同じ北海道で日本スポーツマスターズのロードレースもあるらしいから、来年は北海道へ2度?になるのかな(笑)

来年は涼しい北海道を味わいたいな、みなさんも一緒に北海道へいきましょう♪



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