ニセコ クラシック2019 (UCIグランフォンドワールドシリーズ)①

2019-07-09 17:58

レース

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後ろに迫る後続の追走グループ  写真:ニセコクラシック オフィシャルFB

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ゴール前の激坂

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3度目の…ならず、安定の定位置といわれる2位 ( ;∀;)

毎年、1年の大きな目標として据えている大会。知名度はどんどん上がって今年は1500名ほどのエントリーとなったようでエントリー開始から数日で140㎞はいっぱいになった様子だ。
国内最大級の大会であるツール・ド・おきなわが3000名を超えるはずなのでまだまだいけますね。
多くの有名ホビーレーサーはこぞって140㎞だけど、50代や女子はUCIの世界選手権への切符は70㎞を走ることが必須。なので70㎞のレース、~40代は一部のJBCFエリートレーサーを除けば多くがホビーライダーという構成になっている。

2017年からの参加で今年は3回目。
2017年2位、2018年3位、今年こそ優勝との目標を挙げて取り組んできた。
ちなみにチャンピオン西谷さんはクラス3連勝中(2016年140㎞からだと4連勝)、壁は厚い。
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トライアスリートのIさんとOさん、ロードレースに初挑戦

クラブ関連から今年は過去最多の5名エントリー、参加は4名となったがそれぞれの想いを胸に金曜ニセコ入りした。2017年は猛暑、2018年は蝦夷梅雨、今年は例年くらいの快適な気温だった。
残念ながら羊蹄山が綺麗に姿を見せることはなかったのだが…しかしニセコは相変わらずバブルな感じで、沢山の工事があちこちに。あまり極端に建設ラッシュにならないでほしいものだが…
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実践投入のV2r Disc、デヴューWinならず

ルーティーンでレース前を過ごし体調もまずまずでレースに臨めた。※ココ大事です
もう年ごとに体調管理はシビアになりつつある。そもそも最大値が低いのに加えて暑さに弱くなっているのだからいくら好調時にこれくらい…的なパフォーマンスが発揮できていたとしても本番でどれほど能力を出せるかのほうが大事なのだ。この辺りが理解できてない方は非常に多いと思っている。

レースのほう、注目の140㎞にくらべ興味関心度が低いので露出が少ないのは否めないが、UCIシリーズになって3シーズン開催されているのである程度のレース状況や展開はおのずと見えているはずだ。
総括して言うと、UCIのノンタイトル(世界選手権切符無し)の19~49歳までが全体の半数以上いるはずなのに、過去のレースはほぼ50~54クラスの選手が中心となり展開している。今年もまた西谷氏を中心とした動きは当然予測できたはずだ。
2017年スタートアタックを決めた西谷氏は独りで70㎞逃げ切った。2018年同様にアタックする西谷氏を流石に容認せず勝負は中盤の山岳部分での力勝負となった。
だとすれば、エントリーリストからレースを予め想定しておき、ケーススタディを用意しておく必要がある。出たとこ勝負ができるのは圧倒的に強いか経験値が極めて高いかで、一般的には受験や資格試験と同じく過去問から問題を予想するようにレースを見立て準備が勝つためには必要になる。※ココもっと重要

そして今年は…

例年3ウェーブでスタートして600名強の集団のコントロールに苦心している主催者だが今年もまたローリングの速度が速度10㎞以下で遅すぎてバランス取れなくて足をついたりと目を覆うような選手も少なくなかった。ローリングが終わるか否かのタイミングで西谷氏が前へスルスルとでてゆく、これまでのドッカンアタックとは違う動き。小さな丘を越えるあたりではそれでも2名(西谷氏含む)が抜け出し、それを先頭付近の10名強が追う形になっている。そこそこ棒状になる集団を注意深く観察に前へあがってゆく、下りを利用して加速し二人を追う集団、そのうち前のほうで中切れが発生し追うのは2名となる。ここで一気に中切れ数名をパスして追う2名にジョインする。加速しながら脇から後ろをチラ見して誰もいないことを確認し、追いつきざま『3人、回せ』と声をかけた。
どちらも6000番台の若者だ、数度ローテしたらなんと付き切れ?辞めた?のか後ろにいなくなる。
西谷氏まで50mほどか15秒MAXでもがいてジョイントした。

このスタート直後数キロでこのレースはほぼ決まったと言っても過言ではない。
本命のお決まりなスタートアタック、それに反応する年代連続表彰台(総合でも上位)の私、だとすれば二人を見送る理由などないはずだからだ。私とて西谷氏がアタックした段階で2017年のように見過ごしてしまえば1年準備したことが全くの徒労に終わることを意味することはわかっていたので行くしかなかったともいえる。

追い風を受け60㎞近い速度で突き進む二人。後続と1分ほどの差か、海までいってUターンすれば激向かい風になる逃げる場合はきついが後ろがうまく協調できるはずもなくそこで一気に2分以上離せば逃げ成功と思っていた。
折り返してのローテ、風がきつくて押し戻されそう…伴走バイクからの情報では追走数名と30秒、後ろは1分30秒ほど。兎に角協調しながら逃げる二人、はっきり言って西谷氏が圧倒的に引いておりその差歴然だった。
そして後ろからなんと独りジョインしてきた、同じ50~54カテゴリーの酒井さんという方だった。追う数名のなかから独りで飛び出して追いついてきたという…これには驚いたとともにこの判断と決断が酒井氏の今回表彰台へつながる重要な行動だったと多くの方に知ってもらいたいと思う。

三人で回しながら、登りへ突入するタイミングでは後ろと2分30秒のギャップを作ることに成功、勝者は高い確率で逃げ切ることができそうだった。
そして勝負はここからの登り、昨年の動きから想定しそれなりな数値でのトレーニングはしてきていた。
集団で登り口まできた去年より登坂ペースが下がることを期待したが、西谷氏のパワーはそれを感じさせないものだった。軽量コンパクトな私と2クラスくらい違う排気量のようなパワー感で登る西谷氏に5分耐えるのがやっとだった…無念、西谷氏の背中が小さくなってゆくのが見えた。
力尽きた私に早期に離れた酒井氏が追いついてきて二人のランデブーとなる。
KOMではなんと2分の差をつけられ完全に敗北を認めざるを得ないタイム差だ、しかし集団とも2分以上のギャップ。これは後ろは同等のペースだったことを意味している。とにかく下りをちゃんと回すことを酒井氏と共有しながら進む、残りのアップダウンで酒井氏がキツそう、それぞれに単独走になりかけるもあったが結局はゴールまで二人だった。あと5㎞、落ちてきたペースに対して後ろは1分切ってきたらしい、ゴールが近くなり追走ペースがあがったのだ。残り距離との勘定からたぶんギリで逃げ切れると確信していた。
二人でなんとか励ましつつ走る、残り2㎞の丘を登ればコンビニを左折。左折前に後ろを確認したら小さく見えたがこれはいけそう、ゴール前残る力を振り絞り逃げ切り2位で終了。

70km 総合・年代 共に2位/約600名・129名

途中で完全に独走になったなら追いつかれていたかもしれない…結果的には3位の酒井氏に助けられる形となった今回のレースだった。
冒頭に触れているがポイントは、レースを決めた西谷氏のアタックに反応したかからこその結果、いつも表彰台の二人に追いつきたいとモチベーションの高さを見せてブリッヂしてきたからこそ酒井氏も3位の表彰台をゲットしたといえる。
ロードレース、今回は優勝を決めたのはパワーだったことは否めないが、それ以前に非力な私がなぜ抜け出し、空気抵抗もパワー的にも不利な数名の逃げで最後までつかまらなかったのかを考えなくてはならない。
近年、パワーメーターの功罪でフィジカルトレーニングばかりが先行していて、ライドスキルや知的スキル(経験値や場面対応力)などが極めて低い人が多いと思う。2年間グランフォンド世界選手権へ参加して深く感じるのはこういったところが特に日本の選手は欠如していること。
そしてレースは創るものであって、単に流れに身をまかせてはいけない。ここ数年レースをリードするのが50~54歳クラスというのはどうなんだろうか、若い世代がもっとどんどん前へ前へリードして欲しいと常に期待している。だからこそ親父世代として背中を見せるということを常に意識しているのは事実。

ロードレース他力本願でなく、自ら機会を創り機会によって成長できると思っている。
いつまでも人をケツばかり付いてるだけでは何も変わらないだろう…誰よりも先行することで選択肢は増え、考える余裕も生まれる、追いかける側は選択肢が限りなく減っていくのだから。

しかし親父世代三人に逃げ切られるなんてありえんでしょう…エリート選手で70㎞でるなら絶対に親父に前を走らせないと誓える人だけにしてもらいたいね(笑)


クラブのOくん
悲願の年代表彰台が、2年連続の4位。
しかし年代山岳賞をGET!
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初参加のトライアスリートOさん
最年長クラスで見事完走、世界選手権参加権利を獲得
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初参加のIさん
女子激戦区で見事12位完走、ロードレースの魅力にハマる?かも



あとがき
いつもレースレポートは書くようにしているが振り返ると2018年のが無い?
昨年はこの大会の時に大きな水害が地元岡山でありしばらくなんとも言えない心境からレポートも頓挫したのかなと…もうその記憶すらない(;^_^A
今ある平穏無事な生活はいつまでもある保証はないです、だからこそ日々を大切に感謝しつつ走ることを忘れないようにしたい。



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