UCIグランフォンド 世界選手権 イタリア ヴァレーゼ大会①
2018-09-06 12:47
50〜54歳クラス エントリー407名 完走 順位不明
レンタカーの手配はネットでできるが、やり取りは何かにつけて必要、ホテル・駅・店、些細なことですら容易ではなかった。結論、英語すら喋れないのに異国の地でのレースは無理がある。※単純な旅行は別かな
もちろん前から2列目あたりをゲット
コースは130km・2000アップという数字からは想像もできない難易度。とにかく路面がひどい※対日本、道幅も狭くデンジャラスなムード満点
その後二つ目の峠、ここは前方で約8分耐えきり森の中のアップタウンを進む、由加山の狭路のようなところうまくポジションをとり前へ出て行けた。西谷さんの背後につきほっとした瞬間にそれは起こった。
「カーン」という甲高い音とともに手にいやな入力が、いなや尻をあげて後輪を守る。バーストはしていないブレーキも大丈夫?助かったか? しかし、程なくに制動時にフロントの違和感、リムが破損したことは明白だった。フロントのブレーキがかけれないのは致命傷だ、集団から離れて広い場所でとまる、やはりダメだった。わずか1時間ほどでレースは終わった。
次々と通り過ぎてゆく選手を見ながら茫然自失で空を見上げる。
フロントブレーキを使わなければまだ自走可能なので、様子を見ながら走り始めた。本来なら目に入らない風景を見ながら別な楽しみを得ようと言い聞かせながら。6分後スタートの55〜59歳クラスのトップ集団が抜いてゆく、昨年も感じたが相変わらずとても歳上とは思えない走り。
しばらくゆくと、メディオフォンドのルートとの分岐となる、ショートカットして帰ればいいのにそのままグランフォンドルートへ向かう。※後で後悔することになるとも知らずに…
しかし、約70km付近の登り途中で、急にフロントタイヤがパンクした。降りてみるとリムの破断が進行してカーボン繊維がタイヤサイドに刺さっていた、万事窮す予備タイヤは持っていない。
レースディレクターのクルマを止め、リム破損で走行不能を告げると、先のエイドへ行けという。バイクを押し歩いてゆくとなんと数百メートルほどでエイドだった、ラッキー助かった。かな?
しかしそこには公式テクニカルサービスはなく、ツアーの顧客サービスでホイールを用意するグループがあるだけだった。身振り手振りで説明しホイールレンタルを依頼するも当然無理との返事。どうやって帰ろうかと、走りゆく選手を眺めながら、昨夜の会話を思い出していた。
いくつもある酷い穴ぼこに嵌りホイール壊すのでは…タイヤ持って走る?いやレースだから一発勝負だろ、もし壊れたらヒッチハイクかな…なんて、まさかホントの事になるなんて…
しかも電話は通じない、しかしトラブルは仲間が見ているので伝わる、最悪迎え来てくれるだろうか…1時間ほどして、殆どの選手が通り過ぎたころ、ツアー一団にヴァレーゼまで乗せてくれと交渉しようと近づいたら、なんとコッチへこいのゼスチャーだ。
ホイール貸してやるから走れと、クライアントが通り過ぎた今、温情で貸してくれたのだ。ゴールで交換しに来いと。さらに補給食をいくつか持たせてくれた。これで帰れる、また走れる喜びと言葉もまともに通じないけど貸してくれた厚意に涙が出て来た。
残りは約半分の70km、個人TTのつもりで走る。脚は余るので屍状態の選手を次々とパスしながら走る、周りと違う真剣走りにマーシャルや観客からアレアレやジャポネとの声がいくつもかかった。やっぱり走り見て解るのは本場だからだ。
1時間くらいした頃、前に知った背中が見えた。今回同じグループで行動するNさんだ、女子でこの130コースは過酷だ、エイド付近ではパックで元気に走っていたが力つきソロになったのだろう…追いつき声をかける、彼女をゴールまでエスコートし一緒に帰る事にした。登りで頑張りすぎるのを抑制し下りと平地を彼女の力量に合わせてリードする、順調に進みラストの高級住宅地の坂を頑張りきりゴールへ、ゴールゲートが見える。
なんとか帰ってこれた、色んな想いが交錯しなぜだか涙が出て来た。やはり全力で走れなかったこと、わかっていながらミスでホイールを潰したこと、ワンミスが命取りこれがレースなのだと。
ゴールではたくさんの選手が入り乱れて完走を讃えあっている、
知った顔がいくつもありお互いのことを伝えあった。
昨年は不調によりパフォーマンスが明らかに低かったので判断しかねたが、今回は現状の力はメーター数値から発揮できていた、しかし勝負に参加するには足りないことがハッキリした。残念ながら超奇跡的に上振れ?したとしても難しかったことは想像できた。
これからその次元を目指すのか、勝負に関係なく参加することに意義を見出し続けるのか…今はまだなんとも言えないけど、志向からは明白かなとも…。
アマチュアといえど、走りやバイクコントロールを見るに上位20〜30名はハッキリと元プロ級であることは違いないだろう。
余談だか、前夜のリストランテで一緒だったイタリア人参加者は誰1人として酒を飲んでいない、ビールやワインを飲む我々に対して、おまえらレース前に正気か?的なリアクション。※私は前夜は飲んでいない
トレーニングでつまらぬパワー数値に一喜一憂したり酒も好きなだけ飲む愛好家は真のレーサーでは無い、もっとテクニカルなことを訓練し今回のようなコースを自在に走れてこそレーサーと自称できるだろう。
真のバイク海苔育成に尽力したいと心から感じた世界選手権だった。
お問い合わせ
スポーツ自転車に関するスクール・イベント・メンテナンス・パーツなどなどお気軽にお問い合わせください。
086-897-0879
営業時間:13:00 〜 19:00(定休日:木曜日)
関連の記事
How To Get In Touch
Contact
〒701-1211
岡山県岡山市北区一宮34-1
Tel : 086-897-0879
Fax : 086-897-6124
Email : info@pioniere.link