ツール・ド・おきなわ 2015 市民140km レースレポ

2015-11-14 12:40

レース


27回の歴史を誇る大会とは

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はじめて参加した『おきなわ』は、国際210㎞から140、100、50㎞と各種カテゴリーがありホビーレーサーの甲子園と称される。それほど、国内ワンデーレースでこれほど長距離を走るレースは稀だから。市民といえど210㎞は実業団E1クラスの面子も多く、いわゆる本当のホビーにはかなりハードルが高いレース。そこに140や100㎞があり、それぞれに戦いが繰り広げられる。

今回、岡山からは練習仲間が多数参加した。
210㎞は岡大自転車部の萬ちゃん、140㎞はジュニア国際に黒川くん、市民にMメンバーの赤澤さんとネモティ、クエちゃんにそして私。100㎞40オーバーは小原さんと荻野さん、39アンダーに前年入賞している岩井くん、片岡くん。50㎞にパン屋女将と11名の大所帯で雰囲気は明るかった。
これだけのメンバーが参加するのだから、事前に想定練習も盛り上がりルートを熟知する赤澤さんが中心となり対策も取り組めたのではないかと思う。

総参加者は5000名近くにもなり、沖縄そのものも経済効果が期待できウェルカムなムードは南国の島らしいものに感じた。11月なのに平年でも気温25℃は充分夏を感じることができる。まして、今回は30℃もマークしこれが勝負のポイントになったのは言うまでも無かった。

メンバーの多くは金曜日に現地入り、私やMメンバーは土曜入りとなった。
土曜の朝に岡山空港から那覇へ、10時半くらいに着いたがレンタカーの手続きなどで手間取り空港近くで昼食、当然沖縄そばとゴーヤチャンプルー(笑)
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高速で名護へ向いエントリー、小さい街なので参加者で溢れかえっている。30℃付近の気温で前日バイクに乗ることもナンセンスなのでクルマでコースの確認へ。
逆走して後半の勝負どころとなりそうな部分を確認、どうしても300m以上登るメインの登りが目立つが、他もいわゆる山間部の農道で地味なアップダウンが地脚を試されるレイアウトだ。
宿泊はスタート地点からほどなく、非常に助かった。名護からスタート地点までは30㎞ほどあり名護泊になるとバイクの移動や自身の移動にも手間がかかる。
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※おきなわの夜明けは岡山より30分くらい遅い


140kmのスタートは、9時前後…というのもチャンピオン国際210kmが通過してからスタートとなるからだ。すべてはこの210kmを基軸に運営されるので、過去レース途中でストップがあったり別クラスの先頭集団が混ざったりしたことも多々あった。また今回も50㎞のあるクラスで、遅いチャンピオンのクラスに阻まれニュートラルで進行する時間が長く勝負におおきな影響がでたのもまた事実だ。
ほんとうに1年間練習して勝負をかけてくるものにとっては疑問に思う運営だと思うが、ホビーで楽しむレベルであれば気にならないかもしれない。ただレーススキルは別でやはり相応のスキルが無いと落車の危険性はあがるし、誰も折角おきなわまで来て怪我はしたくないだろう。
こうしたレースへの取り組み方や、スキル・マナーの向上が今後のテーマだろうし、そこを改善できるよう業務として取り組みたいと感じる参加になった。



レースの方、朝食をゆっくりしっかり取り、スタート地点へ。
長距離ということもあり穏やかなムードだ、ピリピリした感じは無い。国際210kmも数名の逃げがあり、集団は容認し追走大集団はまったりな速度で通過していった。
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↑緊張感あるネモティ
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↑経験豊富な赤澤さん、余裕たっぷり



いよいよスタート、先にジュニア国際が出て、ほどなくスタートが切られた。
400名近くいるのと、集団走行スキルをみるとやはり不安がある。落車を常に警戒しながら不穏な動きをする選手からは離れるよう常に意識を切らさぬよう走る。10分もしないうちにダムへの登りが始まる、~30番手あたりで登る、おおきな動きはなくたんたんと進む、データを見ると想定していた数値よりも少し低めで推移。19分台で問題無くクリア、体重4.2倍くらいの出力だったかな、スタート直後のこの登りが不安だっただけにこの数字でひとまず安心した。身体が温まった二本目のほうがいいと想定していたから。
ちなみに市民210kmの先頭集団はここを17分台で登るらしい…この2分は相当な違いだ。
例えるなら金甲山で20分と22分くらい違うと…てな感じですね。
ダムピークからの下りも出来るだけ前で下る、側を走る選手のスキルが全く不明で安心できない。下りもまたかなり選手間の隙間があり、不安感を増幅させる。知らないコースでこちらも積極的に突っ込めないこともありイマイチ乗りきれない。
下りで赤澤さんが、メカトラで遅れた様子…パンク?
おきなわ北部先端の地味なアップダウンを集団で進む、調子は悪くなさそう脚の疲労感よりも数値は良く、二本目の登りを期待できた。ただ発汗が凄まじく水分補給とミネラル摂取に気を使った。
60kmを消化し、いよいよ二本目に差し掛かる。やはり20~30番手で進行、数値は1本目より低めだ。ネモティも余裕があるように見える、そしてメカトラで遅れた赤澤さんが集団復帰していた。相当良いタイミングでタイヤ交換できたのか、それでもかなりパワーロスはあるだろうが…数値的にこれならば余裕でクリアできるはずだった…段々辛くなる、マズイ展開だ。集団も20名くらいは余裕な感じで、あとは辛そう自分も例外でなく、ピークまで残り1kmくらいで相当辛くなる、持てる技でなんとしてもクリアすべく粘る。ピークは完全にオールアウト寸前で対処しギリギリでクリアした、いわゆる集団最後尾だ…(+_+)
集団を確認するが、岡山のメンバーは残念ながらいなかった。それでも集団は30~40名くらいはいたはず、下りで息を整えるが心肺のほうではなく、完全に筋力的に疲弊しておりこのまま登りは厳しいのは解っていた。
下りきり、最初の登りで全く脚は動かなかった…絶望的な気持ちになりながら集団を見送る…“おきなわ”は終わった。
キツイ勾配をよろよろと登る中、ハムが攣る!伸ばそうとすると前側の大腿四とう筋が攣り、悶絶状態。そうする中で後ろから来るグルペットと合流し走行、このあたり残念ながらローテのスキルは低くペース走が上手くできない。闘う意欲を失った今、マイペースで走る選択をした。そして赤澤さんが合流、どうやらパンクでは無くすぐ様走りだしたらしいが、悔やまれるトラブルだ。これが無ければ今回一番調子がよかったはずだから。

島東海岸を走る、景色はいい。本来ならこんな景色を楽しむ余裕などないと思っていたなかった…ほどなく100㎞アンダー39が追いついて来た、岩井くんは元気そうだ。ここでもクラス外のものが対等に混ざるのも気が引け、後ろで無賃状態。
そんな時だ、後ろから市民210kmの先頭集団が来た。有名な高岡選手含む3名の逃げ!100kmの先頭集団が下り基調を速度50㎞くらいで走行する中、さらに上回る速度で抜いて行った。過ぎ去る横で、只ならぬ空気を感じた。やはり強さは正義だなと…。

そうするうちに、前輪に違和感を感じた。スローパンク(>_<)
だましだまし走るが下りが怖い、さらにダンシングで前荷重になると厳しい。100kmの集団に別れをつげ交換ホィールを走りながら待つ、そんな中で高岡選手を追走する選手に身近な選手である白石真吾さん含む3名が抜いてゆく。明らかに勢いが違っていた。この時点まだ残り40㎞以上はありDNFが頭によぎる。
ほどなくバイクが来てくれ、前輪交換。ここから気分を入れ替え個人TTよろしく走りだす。各クラスで力尽きた選手がポロポロおり抜いてゆく。そうした折に後ろから210kmの上位陣が5名来た、この中に見慣れた選手がいた。9月の店長選手権で快走していた中尾さんだった、声をかけて後ろに付かせてもらった。面子はイナーメ、なるしま等有名どころだ。この5名のローテがすこぶる上手い、流れるような円ローテで進み心地よさは最高だった。180㎞ほど走りながらその段階で40㎞前後のペースでよどみなく進む。流石に疲労があり登りのペースもそれなりなので最後まで一緒にいけそうだったのだが…ラストの羽地ダムへ向う登りで脚がまた攣った(ToT) 残念だが彼らを見送り、だましだまし登る。キツいところでの声援が嬉しい、残りは10㎞。下りきりいよいよ最後のイオン坂へ向う、そこに赤澤さんがいた。かなり疲弊した背中だ、追いつき声をかけ2人でゴールへ向う。封鎖した市街地の道路をひた走る、なかなか通常は味わえない。ゴールまで残り500mくらいから脇にはかなりの人がいた。
ここを勝負をかけて、もしくは逃げて単独できたならば最高の気分だろう…複雑な思いが頭を巡る。決して満足できない走りだったがゴールしなければ、次が無い。
赤澤さんと手を取りゴールした。それぞれの想いを胸に秘めて…。

ジュニア国際で黒川くんが6位、100km40オーバーで小原さんが2位と嬉しい結果が出た。参加メンバーで取り組んだことが間違いではないことを彼らが証明してくれたのが救いかな。

さて、自身の“おきなわ”までの取り組みを振り返ると、
9月の最速店長選手権で、思うようにパフォーマンスがあがらず準備不足だったことを踏まえ、10月は140kmに対処できるスタミナと登坂路で先頭集団で対処できるスピード・パワーをどちらも水準レベルに持っていくことに注力した。
結果、事前の数値的な確認ではそこをクリアしある程度後半の勝負ところに参加できる見込みでスタートできた。
懸念したのは、やはり暑さだった。岡山で最高20℃くらいの快適な中での練習と結果的に10℃も上回る状態に身体は適応できず持てるパフォーマンスを完全に発揮できなかった。
それは好調だったネモティも同様だと考えられる、生身の人間だから100%の力を出すことは難しい、だからそれ以上のもの練習で培いまたそこを補うスキル・テクニックを付加するよう精進するしかない。

“おきなわ”のレース参加は初めてだが、実は10年ほど前に社員旅行できたことがある。当時、超激務の事業部でのことだ。その激務のストレス解消がきっかけでロードを再開することになるのだが…その時にロードバイクをおきなわに持ち込み、“おきなわ”のコースの一部を走ったのだ。メインのダムへの登りを(笑)
この時、3月で気候は良くなくて青い海は見れなかった。今回、南の島らしい美しい海を堪能できた。レースと旅行、全く異質のものだけど気持ちを切り替えたら充分楽しめるものが沖縄にはあった。
こうした部分が参加者を魅了するのか…いや、レースへの想いと信じたい(笑)
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↑ゴール後の放心状態の参加メンバー
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