LA・PINAグランフォンド紀行 ⑤

2014-07-27 23:52

塾長の独り言


ほんとうにゴールできるのか?


行程の半分くらい90kmくらいか、川沿いの大きな幹線道路で千切れてたった独りになる…
さっきまで居たプロトンは、あっという間に見えなくなり後ろもまた誰も居ない。
攣った筋肉をほぐしながら走る、速度は30㎞ほどしか出ない。
イタリアの地でたった独り…思うように走れないもどかしさ…グランフォンドを甘くみてた…?
なんて弱気な気持ちが。

5分ほど走ったら後ろから20名くらいに追いつかれた、そこに便乗する。
やはり後ろからくる集団だ、遅れれば遅れるほどプロトンの質は低下する(笑)
自分が遅れておいて言うのもおこがましいのだけれど、この日は何度も体験することとなった。
集団で走る速度域、ローテのスムーズさ、走る仕草に至るまではやり違ってくるもの。

淡々とローテは進みふたつ目の峠へ向う手前にある丘へのアプローチでまた脚が攣った。
太股の内側…どうしようもない痛みに耐え…あっけなく置き去りにされる。
攣りが収まるとまた恐る恐る踏み前に進む、ところが千切れた集団に追いつく?
要は普段なら一緒に走るレベルでない方達と走ってるということなのね、
またプロトンで進み、いよいよTONBA(標高832m)に向けて登りだす。

アプローチ地点は小さな町、素敵なところだった。
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ここは約標高300m付近なので、500mアップだ。
現状の状態を踏まえ、余力を持ちながらイーブンで進む。
あくまでピークまで持つであろうペースで、ところがまたしても思ったよりも勾配がきつく感じられギアのマージンは無くなる(涙)
34×28Tならいかに速度がでないか明白だ、屈辱的な速度シングル(10㎞以下ですね)でノロノロ進む、それに追い打ちをかけるかのようなガーミンの自動停止音がこだまする…
それでも先ほどまで一緒だった方は後方へ置き去りにしている、一方で遅いゼッケンで速い方は幾人か抜いてゆく、それに対応する余力はなかった。
残り標高100mくらいから斜度も緩くなったが、もう踏んでゆく元気はなく兎に角やめずに進むだけ。ピークには休憩所があり、ここでも固形物を食べる元気はなくまたしてもバナナ…(苦)
ここは、いつも天候が悪いことが多いらしいのだけど、この日は見渡す限りの素晴らしい景色。思わず写真を撮った。
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左端の向こうはアドリア海が見えたらしい。
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標高200m付近まで一気のダウンヒル
一つ目の峠と違いかなり道幅は狭くかなり曲がりくねっている。
約2.5~3mくらいか、遅い人に追いつくと真んを走られると抜きにくい。
丁度目の前にいいペースの方がいたので追走するが、遅い人に詰まるとイライラする(笑)
そうするうちに何度もクルマに追いつく…
すっと端によってくれるクルマもあるがそうでないと詰まってしまいどうしようもない。
勾配も8~10%くらいあるだろうか、加速もこっちのほうがいいので、短いストレートでかわす。

かなりタイトなコーナーでは、やはりMTBテクの後ろ荷重でなんとか乗り切る。
F8の下りの速さは相当だろう、コーナーの安定感もピカイチだった。
600mを一気に下りきると、マークしていた人と2人きりだった(笑)
しばらく2人で走るが、ほどなく後ろから10名強が合流。
残り下り基調で残りは約45㎞、途中にひとつだけ標高355mの山がある。
やはり淡々と進む、そして山へのアプローチが始まった。

この集団では、相対的に登りで優位なのは解っていたので先行する。
ところがである! なんとまたしても太股が攣った~(涙)
すべての方に置き去りに…我慢しながら回復させペースを上げる。
喘いでいる方をあっという間にパスし、先ほどまで一緒に走っていた集団のアタマでピークに到達した。
休憩所で最後の補給を取る。休憩所では、パニーニやワインまで振る舞われていたが…

急ぐ方は停まらずに進んでゆく、もうあとは下り基調で30㎞のみ。
ここまで来てもう闘争心は失われていた。
思ったよりも高速ダウンヒルで数人の方と気持ちよく下りきる。
ほんとうに下りは楽しかった、登りがもう少し登れたらと(笑)

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市街地からトレビゾへ向う、もう7~8人で協調するだけ。
大柄な方が多いので、ローテはスルーさせて頂いた。
残り10㎞からはカウントダウンで看板があった。
長かった170km、一時はどうなるかと思ったがなんとか無事に帰ってきた。
トレビゾの街に入りゴールだ、ローテをスルーしていたので集団の後ろでひっそりとゴールした。

ゴール付近は先にゴールしたメディオフォンドの方などでごった返していた。
天候も回復し朝とはうってかわって暑くなっており、疲れと安ど感からぐったり座り込んでしまった。
参加者にはパスタ・ビールなどが振る舞われて、お祭りムード1色だ。
ほとんどの人がこのお祭りを楽しいでおられた、一部で速さを競う人もいるのだけどそれはゴール付近からは感じ取れなかったな。


リザルトが帰国してから、送られてきてた。
それを見て愕然とした!
グランフォンドの完走者は約1000名、私のタイムは6時間15分。
トップタイムはなんと4時間58分、Ave35㎞くらいだ。
これはホビーのレベルでどうこうできる次元ではない。
しかも私より速い女子も10名近く存在し、女子トップは総合20位台で5時間15分!
もう絶句するしかなかった。

やはり本場のグランフォンドは日本では想像できないくらいスケールのデカイもの。
日本ではありえない寛容な地域で思いっきり走れることは何事にも変えられない体験になると思う。
機会があれば是非思い切って参加してみたらどうでしょう?
いつまで走れるかわからないし、出来る時にやっておくって大事です。

最後にピナレロ社、代理店のカワシマさん、現地の運営に関わった方全てに感謝します。
ありがとうございました。




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