スポーツサイクルの基本①
2012-02-11 12:42
「ケイデンス(Cad)」ということばを聞いたことありますか?
これは自転車以外ではまず使わないことばですが、「クランクの回転数」のことです。
例えば、1分間あたり90回転した時は、
ケイデンスは、「90」・「90回転」・「90rpm(アールピーエム:revolution per minute・・・『回毎分』の略)」といったりします。※この数値は、ロードバイクではパワーや心拍数など共に、重要な数字としてよく分析されたり、練習やレースのレポートなどに記載されます。
なぜ回転数がそれほど大事なのか?
いちばんの理由は、同じパワーを出していても回転数が「高い」か「低い」かによって体への影響(負荷になる部分)が違ってくるからです。平たくいえば、ケイデンスが低ければ筋肉への負担、高ければ心肺への負担が割合が増えるという特徴があります。
もっというと。
まずケイデンスが低い場合。
ある一定のパワーを出そうと思うと、ケイデンスが高い場合よりもペダルを踏む力を大きくする必要があります。大きな力を出すためには、筋肉の中にある素早く使えるエネルギー源(筋グリコーゲン)を使う割合が増えます。このエネルギーを使う特徴として、心肺の負担が少ないというメリットがあります。同じパワーを出すのであれば、ケイデンスが低いほうが通常心拍数は低くなります。
しかし、体内貯蔵量に限りがある筋グリコーゲンが枯渇してゆくと、やがて「突然、大きな力を出して踏むことができなくなってしまう」というリスクがあります。すなわち、長時間は使用できないんですね。
次はケイデンスが高い場合。
一回あたりのペダルを踏む力が小さくなるので、エネルギー源としては脂肪の利用比率が増えます。ですから、「筋グリコーゲンの節約ができ、より長時間運動できる可能性が高まる」 というメリットがあります。
その一方で、脂肪を分解してエネルギーに変えるには酸素が必要なので、その分心臓は酸素を含んだ血液をたくさん送るために、より速く・強く鼓動しなくてはいけません。つまり心臓への負担がその分だけ増えることになります。高いケイデンスで走り続けるには、強い心肺機能が必須です。
またクランクの回転数が増えれば、力をペダルに伝える技術(ペダリング技術)が未熟だと、それだけ力を無駄(パワーロス)にしてしまうリスクがあります。
それでは、ケイデンスはどのくらいがベターなのか?
「90rpmが理想的」 といわれることが多いですが、
これは「筋肉と心肺への負担バランスが、適度な平均値が90rpmあたり」という意味です。
しかし実際には、初心者が90rpmで回し続けるというのは、かなりきついはずです。また、トップレベルのプロでも個人差があるのも事実です。スキルと走力レベルに応じて最適値は変化するものなので、スポーツバイクへ乗り始めたばかりの方へは、80rpmをまず目標にしてもらっています。その後、90rpmを無理なく回せるようになってもらい、その人の走る速度やシーンでより長くパフォーマンスを継続できるケイデンスを見つけていくようにしています。
上級者になるにつれて、筋負荷(Cad低)と心肺負荷(Cad高)を使い分けて、よりバランス良くパワーを出せるようになります。スポーツライドは奥深いですね。
※参照:じてトレサイト
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